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誘惑天使 

誘惑天使 
~ タイ性産業のエスノグラフィー
BY:笠原陽介
目次

1.第1回 タイの性風俗の形態
2.第2回 タイ夜遊び通Sのぼやき
3.第3回 タイ夜遊び通Sのぼやき 続編
4.第4回 タイ夜遊び通Sのボヤキ/あの子は今、(バンコクコージー クンちゃん編)
5.第5回 ワールドカップと“ウォルショーシェー”

【執筆者プロフィール】
1977年、岐阜県生まれ。
早稲田大学第一文学部在学中にタイ性産業におけるフィールドワークを敢行。卒業論文としてまとめる。著書「誘惑天使」はその卒論を加筆修正したもの。大学での専攻は文化人類学。現在は旅行会社に勤務中。

「誘惑天使 タイ性風俗で生きる女たちの400日を追う(ゆうわくてんし)」

 著者:笠原陽介 (かさはらようすけ)
 ジャンル:ルポ・ドキュメント
 価格:\1995(1900)
 判型:A5判 ソフトカバー 400頁
 ISBN:4-7974-5298-6
http://www.shinpusha.co.jp/cgi-bin/php2/data_more.php?more=4-7974-5298-6&select=j1

【誘惑天使 概要】
「彼女たちは、本当の恋人だと錯覚してしまうように付き合ってくれる(日本人男性客・28歳)」「日本人がいいわ。SEXはすぐに終わるし、チップとかの金払いがいいから(プー・19歳・ゴーゴーガール)」
タイで売春婦として働く女性たちと、彼女たちを取り巻くシビアな現実や貧困・差別などの社会的な問題を、400日に渡って追跡、調査。女性たちの本音や素顔、その生活ぶりなどにも徹底的に迫り、考察したルポルタージュ。


はじめに

外道の細道読者の皆様、はじめまして。私、このたび「誘惑天使」(新風舎)を出版いたしました著者でございます。本サイト様より命を授かりまして、少しばかり連載をさせていただくことになりました。稚拙な文章ではございますが、ゴーゴーでコーラ飲みながら姫を眺める感覚で気軽にお読みください。

「タイは若いうちに行け」誰がいったか知りませんが俗に使われるこんな言葉に刺激をうけ、大学3年生のとき初めて微笑みの国へ渡った私はいわゆる“ビーマン利用、カオサン、タオルはちまき”系の激ウザ小僧と称される人種であったわけですが、バンコクの街を徘徊するうちに日本人がどこかに置き忘れてしまった生活の癒し、人間の本質的なやさしさをタイという国に対して抱くようになり、(皆さんも、タイに行くとホッとするってよくいいますよね?)、そんな気持ちがMAXに具体化するのがゴーゴーでオキニができちゃった時なんていう、タイに嵌る方程式を順調に駆け上がって行きました。 (自分は嵌ってないけど客観的に見てますよ!風の作家もいますけど、なんか突っ込みたくなりますよね)

 当時大学で文化人類学を専攻していた私は卒論のテーマを決める段階である1冊の本に出会いました。それがCLEO女史著「Patpong Sisters」です。彼女はパッポンを舞台にフィールドワークを敢行し、フェミニスト的観点からエスノセントリズムチックにタイの性産業を描きました。要するに、貧しい農家から出てきてパッポンで働いている娼婦たちは、ファランと関係を持つことによって自らの地位を高めていく事が可能であるということを実際のインタビューや生活を共にする事で例証している内容です。かなりファラン至上主義的な考えの著ではありますが、これを読んでどうこう非難するよりも、ファランにも増して個人ODAでタイに貢献している我らが日本人とタイ人娼婦の関係をフィールドワークで検証してみるのも面白いんじゃないかと考え、これを卒論のテーマとしたわけであります。前置きが長くなりましたが、今後の連載で、「誘惑天使」に登場するパッポン娘、風呂屋のお姉さま、彼女たちの虜になった日本人たちの考え方や人生を綴っていこうと考えております。私も現在、皆様と同様に日本の閉塞社会でネクタイという現代の鎖を首につけ、日々奴隷のごとく働くニッポンリーマンでございます。(会社ではこの姿を隠しておりますので、会議でうっかり外国人のことをファランなどとうっかり言ってしまい、冷や汗ということも。。) 皆様に共感していただく内容をモットーにしておりますので、どうかご期待ください!
最終更新日時: 06/12/2011 13:50:40

外道の細道
第1回 タイの性風俗の形態
ある洋書にこんな事が書かれていました。「タイのナイトライフはまるでディズニーランドのように楽しく奥が深い。ただ、乗り心地は本家よりグッドである。」 この言葉が表すようにタイにはファラン向けのゴーゴーバーからアジア人向けの風呂屋、マッサージ店までどの国籍の人種でも楽しめる“アトラクション”が揃っています。そして働く女の子たちも、ファラン向けのゴーゴーバーにはノリのいいイサーン出身者、アジア人向けの風呂屋等にはおとなしい北方民族と大別できるようにハード面もソフト面もディズニーランドのようにバラエティに富んだ提供をしています。この事はまた、逆説的に、世界の人種の女性の好みの大別を可能にしています。ゴーゴー好きのファラン=スタイルの良い、エキゾチックな(時にモンキーチックな)褐色美人好き、風呂好きのアジア人=色白でおとなしい貞操観念を持ってそうな純粋娘好き、アラブ人=グレース等で言わずもがなのオデブちゃん好き(実は世界一の女好きはアラブ人だと説く研究者も多い、ぼったくり系風呂屋で出会っても日本人とは絶対競合しない無害人種ともいわれる)、外道初心者日本人=タニヤやゴーゴー人気娘などの日本語ペラペラ、会って1秒で「アイシテル、ツキアッテ」の打算系娘好き。

このように、人種別に楽しみ方も千差万別な訳ですが、もっとミクロの世界に入っていくと、レインボー2で年金ドイツ人が一目惚れした猿顔イサーン娘、ナタリーでバックパッカー系日本人が恋した子持ちのチェントン人のように、毎夜迷える子羊のごとく殿方たちが“誘惑天使”と虜となっています。
先に述べたような人種の違いがあろうとも、ミクロの世界で共通してくる殿方の悩みを時系列に表すと、「この子はいい娘だな」→「この子はオレの事が好きなんだな」→「結構お金のかかる娘だな」→「オレは例外だと思ってたけど、こいつはオレのカネが目当てなのか!?」となります。 娼婦として働く女の子たちは、貧困家族を養うためこの仕事をしているから、お金目当てに付き合ってるカップルは多いぞと知識はあっても、自分だけは例外なんだと人間は考えがちです。そうなると全ての誘惑天使の行動が、「これは金目当ての行為なのか、オレの事が好きでやってるのか」という基準で見ないと済まなくなる訳です。「MK行ったら奢ってくれました」「タクシー代は要求してきませんでした」と、自分の支払いが少ない分気に入られているんだよ系の投稿が散見される事でも例証されております。しかしこれ、ご安心ください。ファランにも共通の悩みですので。Seabrook Jeremy著『Travels in the Skin Trade』より“They(タイ娼婦)just see the wallet. which is the sexiest organ on a man’s body” “Mai mee ngern (お金がない). That is the first phrase every foreigner learns here” 






第2回 タイ夜遊び通Sのぼやき 
前回最後にご紹介した「ファランのぼやき」が好評でしたので新たなぼやきをまずはご紹介いたします。
まずはSeabrook Jeremy著『Travels in the Skin Trade』より”I wonder now what she made of it all. Was she just doing what she was paid for? It didn’t seem like it at the time. “ “I think it was the fourth time I came to Bangkok, she looked worried. I asked her what was the matter. She said ‘ Nothing’. Then it came out , that her mother was sick and needed an operation. I recognize now that this was a familiar story. There is always a sick parent, a house destroyed by floods, a young brother to be put through school.”
“ They(娼婦)know when they have you hooked, and they will play it to the last cent. That’s why she asked for nothing in the beginning, pretended every little gift came as a surprise.”
やはり日本人もファランも思考の違いはあれど、同じようなタイ験をされているようです。要はどこまで真剣に愛し合っていてもお金の存在が頭から離れないので、ちょっとした天使の行為でも、「オレをお金の存在なく愛しているのかどうか」というフィルターを通して観察してしまうのは、洋の東西を問わず、男の悲しい性であります。
ファランのぼやきが出ましたので、ここらで我らが日本人のぼやきをご紹介しないわけにはまいりません。小著「誘惑天使」に登場するタイ夜遊び通Sも本編で様々なぼやきを発してくれております。「これやからあかんわ、娼婦は。」「こいつら、絶対アホやで。」
なんていう台詞にも積年の思い、騙され続けた恨み節がこもっております。では、彼のぼやきを通して天使たちの行動パターンを追ってみたいと思います。
タイ夜遊び通Sのぼやき その①
『あいつら(天使たち)とMK食いに行ったら絶対あかんで。あいつら連れてくとアホみたいに注文するからな。この前なんて2人で900バーツやで。ほんで結局半分以上残してイムレーオなんて楊枝つついてる。値段見いへんと食べたいものみんな注文しとんねん。鍋食う前に点心とテリヤキ頼みすぎやっちゅうねん。ほんま頭来るわ。』
こんな経験皆様も1回や2回された事あるのではないでしょうか。天使と出会って初めての店外、オキニとのいつもの食事。様々なケースでMKは利用されます。タイ夜遊び通S曰く、そんなMKは、実は天使の性格を知るためのリトマス試験紙の役目を果たしてくれているそうです。「MKでの支払額は女のアホさ加減に比例するんや」とのこと。MKを利用する客の9割はタイ人ですので、ここではタイ人である天使が注文の主導権を握ります。2人で食べられる量を前もって予測し、食べたいものの値段・量・種類の折衷案を瞬時に考えられる子と食べると自然と支払額も適正料金になるが、いい加減な子は頭を使うよりも先に本能が働き、量や値段を考慮せず食べたいものは注文するため支払額が増えるとの理論です。確かに日本人同士で行くMKの方が客単価が安いような気がいたしますよね。
ちなみにこのパターンに関しては、ファランも同様にぼやいております。
Neil Hutchison著 『Money Number One』より “In a restaurant, if you are going to allow her to order, just tell her beforehand that you are not very hungry, even if you are starving. She will probably only order one dish for you plus six or seven for herself. After she has taken one mouthful from each dish and declared that she is ‘ Im’, you can then safely eat the rest of the food on the table. Be careful though. Don’t show your hand too early or she will do another round of ordering for you.”
タイ夜遊び通Sのぼやき その② 
『風呂屋でシャワーキャップかぶる女はキス率が低いでえ』
非常に深みのある(?)言葉がタイ夜遊び通Sから発せられました。タイでの入浴回数1000回、タイでの女性経験人数1500人(パマー・カメーン含む)、タイに落とした金額推定2千万円を超えている夜遊び通Sが、ボリガンのディーとマイディーの境目としているのが、キスの有無です。「キスありのやつにはもちろんチップ奮発や。でもキスなしやったら1サタンもやらへんで。まあ、高級店行くときなんかは、美女とキスしたくて行ってるようなもんやな。キス率が下がるけど、あえてメジャーリーグに挑戦や。ペッブリ-なんてキスが当たり前やろ。それやと最近、逆に萎えてまうねん。ポセイドンの3階なんかで、こんな女とキスなんてできへんやろなあなんて美女が禁断の口を開けたとき、それだけでおお!思って場外ホームランや。その分チップもメジャー級やけどな、ははは。最近はキス率も訪タイごとに計算してるんや。先月は1週間で15人中12人や。キス率8割やで。イチローでもかなわん率やで。でも今回は最悪や。9人中キスありはたったの2人や。キス率2割2分2厘やで。こりゃ山田(元阪神の捕手)にも負けとるで。原因は高級店の狙い撃ちのせいや。ホームランはいらんからコージーあたりでヒットつながなあかんわ。ビワでキスしてもさすがに内野安打やけどな、ははは。あ、言うとくけど、ディープ以外のキスはファウルやで。最近ようおんねん。唇はOKでも歯でガードするヤツ。名づけて“ティースブロック”や。まあその開かずの扉をこじ開けるのがまたおもろいんやけどな。」なぜか野球に例えることの多い夜遊び通Sですが、キス率にいつから目覚めたのかは本編をご参照ください。さらに夜遊び通Sは続けます。「最近な、このキス率にこだわりすぎて、風呂屋行く目的がほとんど美女とキスするって事に集中されとんねん。せやからいきなり部屋入って“チュップ ダイマイ?”なんて聞くのはナンセンスや。そこでにっこり“マイダーイ”なんて言われたら、その時点でゲームセットやからな。せやから敢えてキスは最後の最後までとっておくねん。飯でも好物は最後までとっておくやろ。最後の最後でキスありやった!って感動しながらフィニッシュや。もう、ある意味アホやわな。でな、部屋に入ってから、いろんなシチュエーションでこの子はキスありかどうか予測すんねん。もうこっちはキスに賭けてるからドキドキやで。まず簡単な自己紹介とか会話するやろ。その間あたまの中はキスばっかやねん。だいたい会話してすぐにあなたの事好きとか、わたしと付き合ってとかいうヤツおるやん。そんなんは逆にキス率低いんよ。あっ、日本語話す女は論外やで。性格悪いうえにキスせえへんからな。“アナタ”とか、普通一流大学で日本語勉強した女は使わへんで。教養ないの丸出しやっちゅうねん。まあええわ。それより問題は会話の後やねん。風呂で体を洗ってもらう時、女がシャワーキャップかぶったら要注意やで。その瞬間、キス率は1割台に落ちるわ。(ボビーオロゴン並みに目をずんぐり開けて)ほんまやで。理由はいまだに分かれへんけど、ジンクスってヤツや。で、さらにいうと風呂の最後にリステリンでうがいする事あるやん。意外とリステリンを勧める女もあかんで。以前よく、リステリン勧められて、“おお、キスするからエチケットっちゅうことやな、よしよし”ってアホ面こいてうがいして、いざとなると拒否や。持ち上げて持ち上げて落とされて、垂直落下DDTやで。ほんま痛いわ。」
皆様もご自身で天使の行動を例証されてみてください。タイ夜遊び通Sのぼやきがあてはまることもあるのではないでしょうか。 まだまだ彼のぼやきは続きますが、それは次回のお楽しみとさせていただきます。次回のぼやきを一言予告で。「アホタイ人に親切にすると、仇で返ってくるわあ。」「風呂屋とタニヤは“おやじタイム”を避けなあかんわ。」ご期待ください。







第3回 タイ夜遊び通Sのぼやき 続編
前回に続きまして、「誘惑天使」本編に登場して話題沸騰のタイ夜遊び通Sのぼやきをご紹介したいと思います。このSとは一体何者なのだ?というお問い合わせが来ておりますが、北海道出身でヘタレ関西弁を操る青年実業家とだけご理解いただければ幸いです。毎月のように訪タイしておりますので、ポセイドンの3階であなたの横でキス率を予想分析しながら天使を狙っていそうな顔をした人間に出くわしたら、それがタイ夜遊び通Sかもしれません。
タイ夜遊び通Sのぼやき その③
『アホタイ人に親切にすると、仇で返ってくるわあ。』
これは彼がタイでの性活のひとコマで出くわした数々の災難から悟った格言だそうです。「ひとつ忠告しとくわ。タイ人に親切する時は、相手の顔しっかり見よって、こいつがアホかまともか選別せなあかんで。アホに親切すると逆にあだ討ちされるからな。この前ヴな、最近できたナタリーの彼女とパタヤ行って、帰りにタクシーチャーターしてん。乗り場で運ちゃんにはバンコクのシャングリラまでって頼んでおいて、あとは荷物を乗せるだけになったとき、タクシー乗り場の若い兄ちゃんがごっつ笑顔で荷物を車までお持ちしますって言うんよ。気分良くしてチップやったら、気ぃ利かせて運ちゃんに何か言うとんねん。おそらく目的地の確認してくれとると安心してそのまま手振ってタクシー乗ってん。車中はナタリーのPちゃんの大きな胸の中で眠れる森の少女や(虎舞竜??)。2時間くらいして目覚めたらタクシーはもうほとんどドンムアンまで来とんねん。あせって運ちゃんにシャングリラちゃうんかい!?言うたら、この丹古母鬼馬二そっくりの運ちゃんが鼻毛抜きながら“出発のとき空港までって言われたよ”ってぬかすねん。あのタクシー乗り場のアホ面した兄ちゃんがオレが大きなトランク持ってたから空港までと勘違いして余計な事言ったんよ。おかげで渋滞の中心街に戻って結局4時間かかったわ。おまけに追加の高速代やらチップやらで200バーツも余分にかかって。200バーツあったらゴーゴーでビール飲んでコーラ奢って乳揉めるっちゅうねん。」
このエピソードは彼にとっては氷山の一角にすぎません。
「まだあんねん。この前ホテルチェックアウトしたら入り口までボーイが荷物持ってくれて、お礼にチップやったら喜んでタクシー呼びに行ってくれてんけど、ホテルの入り口にタクシー着いた直後に後ろからでっかい観光バスが来て、オレのタクシー、外に出られへんっちゅねん。観光バスが来てこの状態になる事予測できててこれやからな。おかげで20分その場でプチ渋滞や。メーターすでに回ってるから60バーツは余分にかかっとるで。60バーツあったらカウボーイでハッピーアワーにビール飲めるっちゅうねん。」
さすがタイ夜遊び通らしく、痛い目にあった代償は必ず夜遊び値で換算するSでございます。ではこのあたりで最後のぼやきをご紹介いたします。
タイ夜遊び通Sのぼやき その④
『風呂屋とタニヤは“おやじタイム”を避けなあかんわ。』
みなさんもMPやタニヤのクラブに行って、あれ~これだけしかいないの!?と焦って何件もはしごするハメになったことがあると思います。特に正月やお盆など日本人が大挙する時期にはひな壇を見ると時津海そっくりのおばちゃんしかいないなんてこと経験あると思います(油断してるとその時津海さえ消えています。一体だれが、、、)。
誘惑天使のフィールドワークでタイ夜遊び通Sへのインタビューを行った後に、珍しく彼から「これからタニヤ行くで。おごりや。」との声が聞かれ、彼行きつけのカラオケクラブに向かいました。ところが時期は年末年始、日本から重役が大挙する時期で接待三昧で大変だと、某大手企業現地法人社長が嬉しそうに嘆いていたように、タニヤのリーマン系日本人密度が普段の3倍に達しておりそのカラオケクラブも天使はわずか2名。ようやく3軒目で夜遊び通Sの納得できるレベル(つまりキスしたいレベル)の子を捕まえました。女の子の肩に腕をのばし、OFF代を払いながら夜遊び通Sがぼやき始めました。「だいたいこの時期は女の子がおらんねん。この時期こそいい女をゲットする腕が問われてとるんやで。風呂屋でもタニヤでも、いかに多くの女が揃ってる時間に行くかや。そこで問題になってくるんが、いかに“おやじタイム”を避けるかやねん。おやじタイムって分からんか?代表例は40過ぎで訪タイ歴10年以上のおっちゃんたちや。そのおっちゃんたちが店に来る時間をおやじタイムっていうんや。そんなおっちゃんたちは強敵やで、ほんまに。よう考えてみぃ。昼間にMBKとか伊勢丹歩いてる日本人とタイ人カップル見たら一発や。若いカオサンとかにおりそうな日本人はなぜかブッ細工な猿連れて歩いてるやん。ところがな、おやじに限ってめっちゃエエ女連れてこれ見よがしに歩いとんねん。理由は簡単や。おやじがオレたちが店に行く前に、すでにかわいい子を捕まえとんねん。何時に行けばエエ子がおるか、経験値でわかっとるんやな。風呂屋ではな、早い時間に行けばエエってもんとちゃうで。たとえば売れっ子やかわいい子は大臣出勤する子もおるからな。そんな子が揃うちょうどええ時間とか、開店時の客が引けて二回転目で偶然女がそろうとか、あんねんて。そんな時間になぜかおやじは匂いをかぎつけんねん。ある意味ヴェルディの武田や、ゴールハンターの嗅覚やな。まあ、おやじやから、武田いうより岡ちゃんやけどな、ははは。せやから、この“おやじタイム”をいかに掻い潜るかが大事やねん。関係ない話やけど、最近のオレのタイプは歯の矯正してる子なんや。なんか、矯正してる子みると、オレのキス率をググッと刺激すんねん。矯正してる子はキス率あんま高くないから、逆にキスしたいなあなんてな。“矯正してるから、今日はキスできないの”なんて平気で年中言いよる。名付けて矯正ブロックや。これまた開かずの口やな。これをこじ開けるのが快感やねん。。」最後は結局キス率の話に戻るタイ夜遊び通Sでしたが、“おやじタイム”はこれから師走にかけて皆様の重要なキーワードになってくるかもしれません。ただ、どんなにかわいい子を捕まえても、街中を歩く時は人の目も気にしたほうがよさそうです。なにせ小著にも登場するチュラ大のYUIちゃんも、外国人とタイ人(色黒系)が歩いてたらまず“そっち系”のカップルだと考えるとインタビューで言っておりますので。あまりべた付いてスケベ顔で歩くのは賢明ではないかもしれません。







第4回 タイ夜遊び通Sのボヤキ/あの子は今、(バンコクコージー クンちゃん編)
大変ご無沙汰しております。誘惑天使著者でございます。昨年末以来の連載となりますことご容赦ください。小生もニッポンのサラリーマンとして働き蜂のごとく生活しておりまして、一年のうち、訪タイできるのは1,2回。日本でたまにニュースで「タイ」ガース連勝!やら片山晋吾が3位「タイ」!などと聞くとピクッと反応してしまう時なんかは、禁断症状の表れだと理解しております。前回の連載で、「タイ夜遊び通S」の登場は終了したはずなのですが、GWに2週間訪タイした話を聞くとまだまだボヤキは止まらないようです。ちなみに「タイ夜遊び通S」は誘惑天使本編に登場する謎の関西弁をあやつるタイに嵌りまくっている日本人で、現在30歳、タイでの経験人数1000人以上、タイ経済への貢献2千万円超のつわものです。
「GW,やっぱ行ってもうたで。微笑みの国や。今回、なんと5ヶ月ぶりやねん。こんなに長い事行かんかったんは、久々やで。ドンムアン着いたらナンプラーの匂いしたわ。あの空港、なんか着いただけで武者震いすんねんな。これから戦うでえ、みたいな雰囲気や。まあ、実際この世で戦っとんのは、サラリーマンやけどな。彼らの戦いが猪木対アンドレやったら、オレの戦いなんか、飯塚対平田やわ。まあ、能書きはええわ。それでな、早速風呂屋行ったんよ。某高級店や。キス率(※前回参照)を高く維持するには、初っ端が大事やから、ペッブリーあたりの適当な風呂屋で妥協したろかとも思ってんけど、ブスとキスしても、ぶっちゃけ意味ないで。ほんま。内野安打や。せやから初めっから高級店のサイドライン、いきなりクッパとの対戦や。しかも矯正ちゃん。ティースブロック(※これも前回参照)しようもんなら、矯正食いちぎったるで!思ったら、予想通りキスなしや。オレも実際は気ィ弱いさかい、ティースブロックされた瞬間に、撃沈やっちゅうねん。30代になって、明らかにキス率落ちたと思うねん。耳の裏からおやじ臭出てへんか本気で心配なってきたで。実は今回は風呂屋で出会った彼女の家にずっと泊まってたんよ。浮気はせえへんから風呂だけ行かせてって頼み込んでな。これじゃ明らかに恋愛ちゃうな。で、またこいつが風呂屋以上に金使うねん。歯の治療したいから歯医者行く言うて、2万バーツオレの財布から持っていきやがったんよ。イサーンの田舎で虫食ってたヤツが、何が生意気に歯医者やねん。ほんで、一緒に飯食いに行ったら、また大出費や。あいつがホテルで食べたい言うから、高級ホテルのディナー連れて行ったんよ。そしたら例のごとくアホみたいに注文しまくって、しまいにはマイアロイ言うて残しとんねん。でチェックしたら目ん玉飛び出たわ。7,300バーツやで。これまたチェック持ってきたボーイも小バカにしたような笑み浮かべやがって。彼女は彼女で知らん顔して楊枝でスースーやっとるし。ホンマ、2人まとめてストーンコールドスタナーかましたろか思ったわ。」
今回もボヤキっぱなしの夜遊び通Sのようですが、結局は帰国した後も、この“彼女”と連絡を取り合っているようです。もちろん、彼女のワン切りでコールバックのパターンですが。。
さて、すでに本を読んでくださった方には気になるところだと思いますが、(どうせ買ってもお前に印税入るだけだろ!と突っ込みがはいるかもしれませんが、ご安心ください。印税の数倍、株でやられております。ここ数週間の新興市場、どうなっているのでしょう。。)、先日、以前バンコクコージーで働いておりましたクンKOONGちゃんに会うことができました。小著の中では癌で体調崩したところで終わっておりましたが、その後体調持ち直して元気でやっているそうです。「最近やっと体調が戻って普通の生活ができるようになったわ。もちろんお医者さんには毎週行ってるけど。今まだ私学生でしょ?だから、またお金が必要になっちゃって、たまに昔からのお客さんと連絡とって会ってるわ。こんな病弱な私を雇ってくれる会社なんてなかなかないし、もう一回バンコクコージー戻ろうかなって思ってる。 そういえば妹のヤッドなんだけど、コロンゼで働いてるとき知り合ったインド人とパタヤに行ってるわ。あの子は、普通タイ人の女の子に嫌われるインド人やアラブ人のお客さんを取ってるの。競争率低いからいいお客さんに会えるでしょ。昔はそのお金で遊びに行っちゃってたけど、今は私のアパート代と治療代を払ってくれてるの。感謝してるわ。」クンちゃんですが、現在は彼氏がいなくて寂しいそうです。日本人の彼氏を紹介して欲しいと頼まれてしまいました。この子は小生がフィールドワーク当時接した女の子の中で、性格は抜群によかった事を思い出します。当時1日6人以上の予約を取っていたにもかかわらず、初めて会った翌日には仕事前の時間を割いてわざわざインタビューのためMBKまで会いに来てくれた子です。皆さん、今がチャンスです!ご希望の方は、こちらまで!! 







第5回 ワールドカップと“ウォルショーシェー”
世間は今、ワールドカップの話題で盛り上がっておりますね。思えば4年前の日韓大会の頃は、フィールドワークのためバンコクに滞在しており、ナイトバーなどでサッカー観戦を毎晩していた記憶があります。ナナもパッポンもお風呂屋さんも、各国の国旗でデコレーションされてて、コンチアはお客さんそっちのけでテレビに夢中、バービアのオネエチャンも鼻スースーやりながら韓国の怪進撃に容赦ないブーイング飛ばしたり、毎日が賑やかだった気がします。タイは時差の関係でイングランドのプレミアリーグを週末のゴールデンタイムで見れますので、結構女の子もサッカーに詳しくて驚きます。ゴーゴーなんかで好きなサッカー選手は?なんて聞いたら、「ファンニステルローイ」やら「ロイキーン」
やら、平気で出てきます。。誘惑天使に登場するプー@パッポンもかなりのサッカー通でした。好きなクラブはマンU、好きな選手はファビアン・バルテズ(当時)というかなりのマニア。ちなみにバルテズは、スキンヘッドがトレードマークのフランス代表正ゴールキーパーです。「何でバルテズが好きなの?」とプーに聞くと、「反射神経がよくてパントキックがうまいから。」と解説者ばりの回答が返ってきます。日本で大量発生しているギャルサポーターのように、好きな選手がボールを持っただけ、日本陣内にボールを蹴りこまれただけでキャーキャー騒ぎ、絶妙なサイドチェンジには無反応なにわかファンとは違います。その昔、原博美や木村和志が代表だった頃から観戦している小生にとっては、ギャルサポーターを代表戦のテレビで見るだけで、「お前等が何でチケット持ってんだ!だからオレがチケット買えずにテレビ観戦なんだよ!」と苛立ちまくっておりまして、ついつい愚痴となってしまいました。プーのサッカー好きは、サッカー賭博の影響が強いようです。プーの居候していたトンブリー一家のようなイサーンから出稼ぎ移住でバンコクに暮らす人たちにとっては、トランプやらサッカーのギャンブルが日常の生活のささやかな楽しみだったりしますので。小著にもあるように、ギャンブルの最中に家を訪ねると、間違いなくたかられます。皆さんも、ゴーゴー嬢に家に来ないかって誘われて、その後の展開を期待して手放しでついて行ったはいいが、部屋には叔母さんやら弟やら訳の分からないの人間がたくさんいて言われるがまま軍資金を奉納して、しょんぼり家路につきながら、こんなことなら誘いを断ってラチャダーで按摩でもやっときゃよかったなんてブツブツいってたなんてことないでしょうか。彼女たちの家族のような低収入層では、こういった身内でのギャンブルが日常で行われており、ギャンブル→負けてイライラ→ドラッグ→金欠→借金→売春→金ができる→ギャンブルのゴールデンローテーションが成立しやすいとも言えます。Prostitute is prostitute is prostitute,,,,,,,(娼婦はやはり娼婦である)といったところでしょうか。。
 ここで娼婦の愚行に毎日頭を悩ませるタイ夜遊び通Sの登場です。「ホンマ、やっぱ娼婦は娼婦やわ。この前も彼女とタクシー乗ったら、オレが支払いで財布をゴソゴソしてるうちに彼女が運ちゃんといきなり口喧嘩し始めて、気付いたらどっから持ってきたのか鉄のパイプで運ちゃんに殴りかかろうとしとんねん。ホイクワやったから、屋台のおばちゃんが仲裁に入るわ、バイタクの兄ちゃんが入り込むわで、ホンマ、ドン引きやで。なんでこいつらはすぐカッとなんねん。感情のまま動くから、動物と変われへんで。まあ、イサーンで動物と変わらんようなもんばっか食ってたんやから、動物っちゃあ動物やけどな。そのくせ一緒に買い物行くとブランドもんばっか選ぶからな。小生意気に。で、また発音がむかつくねん。誕生日になんか買ったろうと思って、何欲しいか聞いてん。そしたら、“ウォルショーシェー、ウォルショーシェー”って言うねん。何の事か分かれへんからもう一回聞いてみても、“ウォルショーシェー”って繰り返すねん。どうせタイのお菓子か何かやろと思って、よし、買うたるわ!って言うたらそのまま手を引っ張られてエンポリアムや。で、一階のブランドショップをウロウロしとる。“ブランドはええから、はよウォルショーシェー買いに行くで!”ってせかしたら、いきなりベルサーチに入って行くやん。ベルサーチが、こいつの発音だとウォルショーシェー、なんでやねん。会計見て、目ん玉飛び出そうになったわ。で、店員に発音させてみると、なんとなくやっぱ、ウォルショーシェーやねん。おまえら、ウェアユーゴー や アイウォンゴーウィユーばっかやなしに、まともな英語勉強せえっちゅうねん。まあ、イタリア語やけどなって突っ込みはいらんで。もうこうなったら、あるあるさんとこの探検隊呼ばなあかんわ。風呂屋でよくある、探検隊やで。ほな、いくで~ ♪キスなし覚悟でサイドいく! ♪笑顔に騙されはずれ引く! 
♪スプライト頼んでスパイくる ♪チップが頭を悩ませる! ♪デートに誘うと2人来る
♪矯正姫にキス強制 ♪部屋に入ると便意くる ♪バスに乗っても便意くる ♪トイレがないと便意くる  おれはう○こキャラかいな!」
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